東日本大震災義援金の御礼とご報告
一般社団法人 日本写真文化協会会長 大石直臣

日本写真文化協会と日本写真館協会が共同で、全国の写真館関係者にお願いした「東日本大震災 救援義援金」は、募金期限の9月30日現在、総額18,640,184円となりました。全国10ブロック(地区)、47都道府県の協会及び都道府県内支部、写真研究団体、写真関連メーカー・商社、個々の写真館や個人等から、幅広く篤いご協力を賜りました。深く感謝し、心から御礼申し上げます。国内からだけでなく、アジア8カ国の「プロフォト連合」役員からも義援金が寄せられたほか、各地区ブロック大会で講師を勤められた先生方が講師料を全額寄付してくださったことにも感動しました。
既報の通り、5月に一時金として1千万円を東北六県写真師会連合会阿部順紀会長にお渡しして、被災者への配布をお願いしました。同時に、関東写真館協会堀恵介会長に、被害が大きかった茨城・千葉両県向けの百万円をお渡ししましたが、これは両県から、より深刻な東北に回してほしいとして辞退されました。その分と、5月以降の入金分を合わせて、このほど東北六県写真師会連合会にお届けしました。なお、6県のうち、青森・秋田・山形は被害が少ないとして辞退されましたので、岩手・宮城・福島3県の被災者の方々に、被災状況に応じて、各県会長から配分・配布されます。
「大震災救援写真館団体本部委員会」の役割は、以上で一応の区切りとなりますが、業界としては、今後も物心両面からの支援を続ける必要があると思います。たとえインフラ等が復旧しても、被災地に平穏な日常生活が戻るまでには、多大の困難を克服しなければならず、長い期間を要し、写真館には厳しい状況が続きます。全国の皆様のご高配をお願いする次第です。
この災害の中で、写真の大切さが広く社会に認識されたことから、「家族の宝物」としての写真づくりを使命とする写真館の役割を社会にアッピールする好機として、人々の思い出づくりのお手伝いをする写真館の社会貢献をPRしようではありませんか。業界を挙げて写真館の社会的存在感向上に努めることが、東北の皆様への応援にもなると思います。
世界史に残るような未曾有の大災害の中で、秩序正しく、忍耐強く、雄々しく、助け合って頑張っておられる東北の皆様は日本の誇りです。心からのエールを送り、早期復興を祈念申し上げ、ご報告の結びとさせていただきます。

復興へ向けて
(協)日本写真館協会 理事長 松山  均

この度の東日本大震災にあたり、全国の会員の方々より心温まる励ましの言葉や、被災地に対する多大の支援をいただき誠にありがとうございました。さらに、9月30日までを目標にお願いしてきました義援金活動も、全国より18,640,184円の善意が寄せられました。写文協と一体となって設立された東日本大震災救援写真館団体本部委員会副委員長として、一定の役目を果たすことができたのではないかと思っております。5月25日には、お見舞いの一時金として10,000,000円を阿部東北六県写真師会連合会会長に贈呈しましたので、それ以降の分を10月末日までに東北六県事務局宛に送金したいと思います。

義援金活動にご協力いただきました全国の会員、各都道府県の協会及び支部団体、写真研究グループ、メーカーをはじめとする写真関連企業、元・日本プロ写真家協会(PP 0f J)、アジア8ヵ国のプロフォト連合(UAPP)の各国役員などの皆様には、心からの御礼と感謝を申し上げる次第です。

8月18 〜 19日に、「写真は家族の宝もの!よみがえる思い出、よみがえる心、よみがえる力」をテーマに、第69回東北六県写真師会連合会岩手大会が開催されました。震災後の大会ということで開催を危ぶむ声もあったと聞きましたが、大会を復興への第一歩にしようという役員の強い意志が反映された、通常の大会以上の大会ではなかったかと推察いたしました。特に、会場に飾られていた写真コンテストの中に映し出されていた人々の幸せ色の笑顔の写真と、隣室で同時開催されていた菊地写真館さん(釜石市)が、津波の最中に命がけで撮影した写真(300点)の中に描き出されている人々の、生死をかけた厳しい表情の顔の違いが印象的でした。

今回の未曾有の災害が中でも復興の力として、様々なメディアで「笑顔」が取り上げられ、そして注目されました。また同時に、思い出としての写真の在り方にも変化が見えてきています。笑顔には人の心に温もりを届け、そして勇気、元気を与え、笑顔を見れば自分も自然に笑顔になる「笑顔をつなげる力」があります。なによりも幸せの象徴でもあります。写真館も長く地域の家族や人々の笑顔を撮り続けてきました。それは、その人々の幸せの瞬間に立ち会ってきたと言っても過言では無いかと思います。「復興へ向けて我々のできること、笑顔の力をつなげて日本を元気にしていくこと」をテーマに、これからも支援し続けていくことが被災地の会員の方々の「復興」の一助となり、蘇る写真館の「再生」への道に繋げられると考えています。

「頑張ろう東北!」を合い言葉にエールを送り続け、復興へ向けて更なるご協力をお願い申し上げご挨拶といたします。

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